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破産や個人再生の手続中にETCカードを利用できるか

破産や個人再生の手続中にETCカードを利用できるか

表題の件についてご説明します。

自己破産や個人再生で弁護士に依頼した後は、新たに借金をしてはいけません(なお、任意整理の場合は別です。)。

ETCカードも後払いとなりますので、これは借金にあたります。ですので、申立人名義のクレジットカード付帯のETCはご利用いただけません。もし利用を続けていると、いつまでも債権額が確定しませんし、請求に応じて支払うと、偏頗弁済として免責不許可事由となってしまいます。そうなると、自己破産の場合には管財事件に移行する確率が高まりますし、個人再生の場合は清算価値に上乗せするよう裁判所から指示がなされ、最終的な弁済金額が高くなってしまうおそれがあります。

では、配偶者のETCカードを利用すれば問題ないのでしょうか。

これはケースバイケースです。利用金額が大きく、配偶者の給与手取り額を超過するような態様だとすると、実質申立人の収入で返済しているのと同視され、偏頗弁済と認定されるおそれがあります。

この点に関しては、ETCに限った話ではなく、配偶者名義の自動車のローンの返済を実質申立人が出捐しているのではないかとして破産管財人が選任されたケースもありました。紛らわしいことは控えた方が安全です。

しかし、ETCは使えないと不便ですし、お仕事等で日常的に有料道路を利用する方ならば猶更です。

そこで、デポジット式のETCというものがあるようです。あらかじめ一定の金額をチャージしておき、デビットカードのように、利用すると同時に引き去りがなされる仕様で、借入にはあたりませんので、どうしてもETCを利用されたいお客様は皆様これを使われているようですね。

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(弁護士 中川内 峰幸)

債務整理で退職金の額が問題となる場合

債務整理で退職金の額が問題となる場合

正社員で5年以上お勤めの方は、裁判所に自己破産や個人再生を申し立てる際に、今現在の時点で仮に退職したら(自己都合退職です。)幾ら退職金が支給されるのかという資料を提出する必要があります。実際に退職する必要はありません。自己破産の場合には、管財事件への振り分けの判断資料として必要ですし、個人再生の場合には、清算価値を把握する目的で必要となります。なお、任意整理の場合には、裁判所を使う手続きではありませんので、これら資料は必要ありません。

さて、どのような資料を用意すればいいのでしょうか。最も明確なのは、会社が退職金額証明書(様式は問いません。)を発行してくれた場合、これを提出すれば、通常、裁判所は何も言わないでしょう。ただし、きちんと社印の押してあるものが必要です。

しかし会社に言い出しにくい場合(「なぜそのようなものがいるのか」と聞かれて返答に窮してしまう方は結構いらっしゃいます。)には、職場備え付けの退職金規定のコピーを取得し、これに自身の係数等をかけ合わせる等して自分で退職金額がきちんと算定できるのであれば、これで代わりとすることができる場合もあります。

あるいは、経理の方にメールで問い合わせをして、これに同人よりメールで返信を受ける形で、当該メールをプリントアウトして裁判所に提出し、無事に認められたケースもあります。そのような方法で裁判所が認めてくれるか否かは、内容の信ぴょう性次第となります。

また、中退共や確定拠出年金を退職金代わりに採用している企業もあります。これらは、法律上、差押禁止債権とされており、本来的自由財産となりますので、申立人の財産として計上する必要はありません。ただし、勤め先がこれら制度を利用しているということを疎明する資料の提出が必要となります。退職金規定内にその旨の規定があるのであれば、同規定を提出することでクリアできるでしょう。

そして、退職金の算定方法ですが、原則8分の1で考えます。なぜ8分の1かというと、退職金請求権のうち、差押可能な範囲が4分の1で、また、退職するまでの間に会社が倒産したり申立人が懲戒解雇されたりするなど不確定な要素がありますので、これを2分の1と考え、1/4×1/2=1/8という計算になるというわけです。ですので、定年退職までに間がないといった場合には、8分の1ではなく4分の1で計上せよと言われる可能性が高まりますし、実際に退職金を受領してしまった場合には、当該金員は通常の預金債権や現金に姿を変え、その全額を財産として計上しなくてはならなくなります。

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(弁護士 中川内 峰幸)

二度目の破産

二度目の破産

破産は何度でもできるのでしょうか。条文上は、前回の破産から7年が経過すると(正確には、免責許可決定の確定日から7年です。破産法252条1項10号イ参照。)、裁判所は免責許可の決定を行うことができるようにも読めます。

しかし、実際にはそう簡単な話ではありません。やはり二度目の破産となると、裁判所の審理は非常~に厳しくなります。

自己破産は、法律の規定に基づき、債権者に貸付金等の回収を諦めてもらう手続きですので、その免責の効果を受けることができるのは、誠実な債務者のみに限られます。そして、一度目の破産の際に、申立代理人弁護士又は裁判所(破産管財人)から、二度と債務を増加させないように注意を受けているにも関わらず、再度借金まみれになってしまったということですと、やはり反省していない=誠実な債務者ではないという目で見られてしまうのです。

ですので、たとえ7年が経過していようが、この度の借金の借入理由が前回と同じ内容だとすると(特に、前回も今回もギャンブルという場合。)、免責は極めて難しくなります。また、借入理由が異なる場合でも(例えば、前回が他人の保証債務、今回が失業という場合。)、やはり二回目ということで、裁判所が破産管財人を選任する可能性は高く、複雑で負担の大きい手続きを余儀なくされることが想定されます。

そのような場合には、自己破産ではなく、個人再生や任意整理の可否を検討することとなります。

しかし当事務所では、実際に二度目の破産を申立て無事免責に至った方も少なくありません。前回の破産と借入内容が大きく異なり、またこの度の負債の増加につき情状の余地が大きく、かつ、一度目の破産との間にかなりの期間が存在し、実質的に見て一度目の破産と切り離して考慮することが可能といった案件の場合です。

過去に自己破産をしたことがあり、現在、再度借金問題で頭を悩ませている方は、神戸のシャローム綜合法律事務所までお問い合わせください。相談は無料です。詳しくは、下のバナーをクリックください。

(弁護士 中川内 峰幸)

法人破産をご検討の経営者様

法人破産をご検討の経営者様

法人破産のご依頼が増えています。

特に、当事務所では最近、飲食業をご経営の方々からのご相談が多いといった印象です。コロナ融資後、資金繰りに窮するといったケースが多く見られます。

さて、法人が金融機関等から借入をする際に、代表者も経営者保証をしていることが通常ですので、多くの場合は、法人と私人(代表者個人のことです。)の二つの事件を同時に申し立てるということになります。もし個人保証がないという事案でしたら、代表者は自己破産ではなく、個人再生や任意整理を利用することも考えられますが、あまり見ないケースです。

法人破産の場合には必ず破産管財人が選任されますので、管財費用が必要となります。この管財事件の予納金ですが、神戸地裁においては、通常の場合20万円程度なのですが、法人と個人の二つの事件であれば20×2=40万円かと思いきや、同時に申立をする場合には、通常の20万円(法人分)と、もう1件は1万円(個人分)で済みます(あくまでも神戸地裁のお話です。)。この場合、同じ弁護士が管財人となり、対応されます。

法人破産においては、金融機関からの借入のみならず、取引先の買掛金債務などもありますので、個人の破産に比べて対応が極めて複雑になります。強引な取立てが予想される場合もありますし、かといってこれを支払ってしまうと、偏頗弁済となってしまいます。また、従業員がいる場合には給与債権に対する対応といった問題も生じます。

更には、会社保有財産がある場合に、これらの処分といった事項も、難しい問題です。賃借物件がある場合には、これを速やかに解除・明渡の上、返還された保証金は散逸しないようにきちんと保管する必要があります。賃貸借契約の解除までを破産管財人に任せてしまうと、上に見た管財費用が跳ね上がってしまうおそれがあります。また、在庫や機器・什器、車両といった財産に関しても、きちんとした査定を複数取った上で売却するのか、あるいは処分せずに管財人にそのまま引き渡すのかといった判断も必要となります。引き渡す場合には、それまでの間の保管場所(車両の場合には駐車場)に係る賃料が発生してしまうという点も考慮に入れなければなりません。

上記のような問題もあることから、法人破産の場合には、どのようなタイムスケジュールで手続きに着手するかといった点が重要となります。そして、着手した後には、とりわけ迅速な手続きが要請されます。

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(弁護士 中川内 峰幸)

【自己破産】家族に迷惑がかかる場合とは

【自己破産】家族に迷惑がかかる場合とは

自己破産のご相談をお受けする際、よく「家族に迷惑がかからないでしょうか…」といったご質問をいただきます。ご不安に思われるお気持ちはよくわかります。本コラムでは、この点につきご説明しましょう。

何をもって「迷惑」と考えるかにもよりますが、まずご家族と同居の場合、家計収支や居住証明の作成に協力してもらう場合がありますので、その手間を迷惑だというのであれば、迷惑かもしれません。また、ご家族の住民票や所得証明等も必要となりますが、これはご依頼者が単独で取れますので、ご家族にとってご負担はないでしょう。

では、より深刻なケースをご説明しましょう。ご依頼者が不動産をお持ちで、その共有者にご家族が名を連ねていらっしゃる場合、当該不動産を処分する必要が生じます。あらかじめ任意売却をせずに申立を行った場合、破産管財人が申立人の持分を処分することになりますが、共有者がいる物件の購入を希望する買い手はなかなか見つかりませんので、通常は共有者であるご家族に買取を打診することになります。実勢価格よりも安価な金額で合意に至ることも多いかと思いますが、ご家族に現実の出捐が要請されますので、これは迷惑がかかると言えるでしょう。

また、時々あるのですが、ご主人(申立人)が大きな金額を奥様の口座に移しているケースがあります。賞与であることが多いですね。これは財産隠しではないかということで、破産管財人より奥様に対して返還請求がなされる可能性があります。奥様は当該ボーナスを種々の支払いに充てることを予定して家計を管理していたのでしょうから、突然破産管財人よりそれを返せと言われても寝耳に水です。夫婦仲が決裂するケースも少なくありません。

あるいは、自由財産の範囲内に収まらない金額のご主人名義で積み立てている学資保険の帰趨なども、ご家族にとって深刻な問題となりえます。

同様に、成人しているお子さんの生活費や高額な学費等を申立人が負担している場合も、破産管財人よりお子さんに対して返還請求がなされることがあります。

また、これは自己破産に限った話ではありませんが、ご家族が保証人になっている場合、当該債務につき整理をすると、債権者よりご家族に対して一括請求がなされます。

以上のような場合、ご家族に迷惑がかかる可能性があると言えるでしょう。

それを避けるためには、自己破産ではなく、個人再生や任意整理を検討することになります(上の保証債務のケースでは任意整理ですね。)。

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(弁護士 中川内 峰幸)

地銀にM&A仲介の能力があるのか

地銀にM&A仲介の能力があるのか

いささか過激な見出しとなってしまいました。趣旨は次のとおりです。

時事通信の記事を目にしました。以下引用ですが、「金融庁は27日、金融機関に対し顧客企業のM&A(合併・買収)支援に積極的に取り組むことを求める監督指針の改正案を示した。地銀などを念頭に、金融機関がコンサルティング機能を発揮し、後継者不足に悩む中小企業のM&Aを後押しすることを狙う。意見公募を経て今秋にも正式決定する。」とのことです。日経でも同旨の記事があったかと思います。

地銀が日常的に地元中小企業の経営問題に接していることから適任だとの発想だとすると、これは安直だと言わざるを得ないと考えます。

過去に私が携わったM&Aトラブルの訴訟において、とある地銀が仲介をしていた案件がありました。内容はご紹介できませんが、実に杜撰な業務を行っており、同地銀がきちんとアドバイザリー契約の責務を果たしていたならば、そもそもこのような紛争は発生しなかったのではないかと思われる事案でした。実際、同地銀に対して事実の照会をかけたのですが、保身に走る回答しか出てきませんでした。無責任極まりないと思われる対応でした。この事件では、同地銀の仲介によるM&Aにより、実際に一つの企業が経営不振となり、売主も買主も双方が極めて不幸な状況となったのですが、その地銀だけはきっちりと報酬を得て、独り勝ちの状況でした。猫も杓子もM&A仲介に手を出すようになり始めた頃の話で、多くの地銀が即席のM&A担当部署を設置した時期でした。その担当した行員に、M&Aの詳しい知識があったとは到底思えませんでした。

公知のとおり、M&A仲介には何らの資格も不要ですので、実際、既に多くの地銀が新規分野への進出を目してM&A仲介市場に参入しておりますが、果たして専門的な知識が担保されているのでしょうか? また、人的資源の問題(優秀な人材は、より高給が期待できる既存のM&A仲介会社へ流れるのではないかという懸念です。)もありますが、そもそも転勤の多い銀行員が案件に携わることによって、事後的に責任の所在が不明瞭になることへの不安も生じます。そして、仮に地銀がM&Aに携わるとしても、別に仲介を推奨しなければならない理由はないのですから、メガバンクのようにFAに徹することも、検討に値するのではないかと思われます。

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(弁護士 中川内 峰幸)

債務整理で裁判所へ行かなければならないケース

債務整理で裁判所へ行かなければならないケース

弁護士に依頼して借金問題を解決する場合、「裁判所へ行かなければならないのか」と心配される方がいらっしゃいますので、ご説明しておきましょう。

まず、①任意整理の場合には、裁判所へ行く必要はありません。弁護士が個々の債権者と交渉をして示談をまとめる手続きですので、裁判所はノータッチです。

次に、②自己破産ですが、これには手続きが二種類あります。すなわち、同時廃止事件と異時廃止事件に分かれるのですが、要は簡単な事件と複雑な事件によって手続内容が異なるということです。

複雑な異時廃止の場合、裁判所より破産管財人弁護士が選任されますので、その弁護士の事務所にも行かなければなりませんし、また、債権者集会というものが開かれますので、最低1回(事件によっては複数回)裁判所に行く必要があります。

では、管財人のつかない同時廃止の場合には裁判所に行く必要がないのかというと、必ずしもそうではないのです。

裁判所によっては免責審尋手続というものが開かれ、実際に裁判所に行かなければならない場合があります。神戸地裁では、現在免責審尋というものは開かれていません。しかし、数年前になりますが、同じく神戸地裁管轄の明石支部では、申立人が裁判所に呼ばれて裁判官と面談した記憶があります。おそらくあれは免責審尋だったのでしょうが、その一回限りですね。

大阪地裁の場合には、集団免責審尋というものが開かれますので、裁判所に行く必要があります。これは10人程度の破産者が一つの部屋に集められ、その前に裁判官が座り色々と質問をしてきますので、これに応えないといけません。座学のような形でなされ、破産者の反省を促し、またその反省度合いを確認するという目的もあるのでしょうが、ある意味裁判所は汗を流しているなと思います。もっとも、管財事件の場合、一旦免責審尋の期日が指定はされますが、その後期日取消となり行く必要がなくなる場合もあります。

このように、裁判所によってその運用が大きく異なるという実態があります。

そして③個人再生の場合ですが、これも裁判所に行く必要はありません。個人再生委員が選任されるケースには、同委員(弁護士です。)の事務所に行ったりして対応する必要はありますが、その後裁判所に行くことは想定されていないようです。実際、過去に個人再生手続で裁判所へ行ったことはありません。

さて、裁判所は役所ですので、平日の日中しか開いていません。ですので、場合によってはお仕事に穴が開いてしまうかもしれません。裁判所に行く日程はある程度事前に分かりますので、調整が可能な方もいらっしゃるかと思いますが、裁判所に行く行為自体が負担だと思われる方は、個人再生や任意整理をご検討いただく方がよいかもしれません。また、同時廃止で終わる見込みが高い事件であれば、自己破産でトライしてみるというのでもいいでしょうが、異時廃止への振り分けは最終的には裁判所が決定しますので、必ず同時廃止で事件が進むことの確約は誰もできません。

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(弁護士 中川内 峰幸)

【自己破産】免責不許可事由(ギャンブル)

【自己破産】免責不許可事由(ギャンブル)

自己破産の申立てにあたり、最もわかりやすい免責不許可事由は、やはりギャンブルでしょう。

競馬、競輪、競艇、パチスロあたりが有名どころですが、裁判所は宝くじもギャンブルと考えていますので注意が必要です。FXや先物取引なども、広い意味でのギャンブルに含まれるでしょう。大阪にIRができれば、カジノも加わりそうですね。要は、「楽して儲けよう」という行為はギャンブルに該当する可能性が高いと考えていただいて問題ないかと思われます。条文の根拠としても、破産法252条1項4号では、「浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと」が免責不許可事由のひとつとして挙げられています。「射幸」とは、偶然に得られる成功や利益を当てにすることです。

さて、ギャンブル行為があった場合、自己破産を申し立てても免責決定を得られないのでしょうか?

いえ、実際には、ギャンブル行為があったとしても最終的に免責決定を得ている方はかなりの数に及びます。・・・が、これはギャンブルの内容次第となります。回数、金額、当時の収入状況といった要素を勘案の上、二度とギャンブルをしないという誓約のもと(場合によっては依存症の治療も必要です。)、裁量免責という形で、借金を帳消しにしてもらえる場合があるということです。そして、ギャンブルの態様が悪質であると思われる場合には、異時廃止事件へと移行して、破産管財人弁護士より厳しく指導を受けるということになります。その際には、反省文や家計簿の提出を求められたりする他、毎月お給料から一定の金額を裁判所に渡しなさいと言われることもあります。ですので、破産事件であれば弁護士費用+管財人の報酬以外は出費がないと考えるのは大きな間違いです。

ところで、管財事件になることを避けるべく、ギャンブルの事実を秘して申立ができないかとおっしゃる方がいらっしゃいます。

答えはNOです。

大体、裁判所には申立前1年間の通帳履歴を提出しなければなりませんが、こういう方の履歴には、「テレボート」や「JRA」といった印字がズラッと並んでいることが多いですので、隠しようがありません。では通帳自体を提出しなければよいではないかと思われる悪い方もいらっしゃるかもしれませんが、そのような行為自体が裁判所を欺く行為に該当しますので、決して賛同できません。それに、嘘をついても結局のところ、どこかでボロが出てきて、裁判所や管財人には必ずバレてしまいます(では借入の理由は何かと聞かれますので、更に嘘を重ねることになります。)。そのような虚偽の申告が発覚した場合、絶対に免責許可となり、債務は消えません。嘘は絶対にダメです。逆に、たとえギャンブルをしていたとしても、そのことを正直に申告し、反省している旨を裁判所に分かってもらえれば、最終的に免責を得られる可能性は十分にあります。ですので、正直ベース一択です。

とはいえ、いくら反省しているとはいえ、債務の100%近くがギャンブルで作った借金だという場合には、やはり免責は困難だと思われます。では、80%ならどうか? 75%では? とお聞きされることもあるのですが、他の様々な要素も総合考慮の上で判断がなされますので、ケース・バイ・ケースと言うしかありません。

もっとも、そのような場合には、自己破産ではなく個人再生(場合によっては、任意整理)をお勧めしますし、逆に自己破産で申し立てた段階で、裁判所の方から「個人再生は考えないんですか?」と、暗に取り下げを示唆するような連絡が来る場合もあります。そして、その裁判所のサジェスチョンを無視して自己破産手続を続行する場合には、非常~に厳しい破産管財人が選任されるという印象があります。

ご自身の借金にギャンブル目的での借入があり、自己破産ができるのかご不明の方は、神戸のシャローム綜合法律事務所までお問い合わせください。相談は無料です。詳しくは、下のバナーをクリックください。

(弁護士 中川内 峰幸)

勾留中の生活

勾留中の生活

 ●はじめに

 刑事ドラマで、刑事が取調べなど捜査をする場面はよく見かけますが、留置場の場面が出てくることはあまりありません。多くの方にとって、留置場での生活がどのようなものか想像もつかないと思います。そこで、本コラムでは、勾留されてしまった場合、留置場でどのような生活を送ることになるのかについてご説明します。

 もっとも、留置場の運用は各警察署によって異なります。今回は、生田警察署に勾留されてしまったケースを前提にご説明します。

 ※ 本コラムは、情報公開請求により取得した兵庫県生田警察署留置施設管理運営細則を参照して作成しています。

●1日の流れ

 留置場での1日の流れは、以下のとおりです。

起床 午前7時

朝食 午前8時

運動 朝食後から適宜

昼食 正午

夕食 午後6時

就寝 午後9時

 起床から就寝までの間に、取調べを受けたり実況見分のため現場に立会ったりすることもあります。

 生田警察署では、平日は30分程度、運動場に出ることができます。運動場といっても、広さは10畳くらいで、地面はコンクリートですので、ストレッチくらいしかできません。

●飲食

食事の支給

 1日3食の食事が支給されます。食事の際には、お茶又は白湯も支給されます。

 食事の支給時以外に湯茶が支給されるのは、午前10時、午後3時、就寝前(1杯に限る)、就寝中(1杯に限る)のみです。いつでも、湯茶が支給されるわけではないようです。

自弁の食事

 留置場で提供される食事以外に、自分で買った弁当・丼物を食べることができます。ただし、購入した弁当・丼物を食べることができるのは、平日の夕食のみに限られています。 なお、麺類・スープ類の購入は認められていないそうです。

お菓子や飲料の購入

 お菓子や飲料を購入することもできます。 お菓子はチョコレート、菓子パン、スナック菓子を購入することができます。飲料は、紙パック入りのジュースを購入することができます。 購入した菓子類・飲料は、昼食後から夕食まで摂取することができます。

●衛生

入浴

 入浴は週2回(生田警察署の場合は木曜日及び日曜日)に認められています。入浴時間は20分程度で、同時に2名ずつ入浴します。

洗面

 洗顔や歯磨きは、起床時と就寝前にできます。

洗濯

 洗濯は、留置担当官が行います。

調髪

 自費ではありますが、留置場内で散髪をすることもできます。

髭剃り

 髭剃りは、運動時に運動場で使用することができます。  電気カミソリを借りることができます。

その他

 綿棒は、運動時、入浴時に使用が認められます。

●書籍

 書籍は、自身で購入した書籍、差入れられた書籍、備え付けの書籍を閲覧することができます。留置室に持ち込むことができる書籍は、3冊以内です。

●警察署から貸与される物

 寝具、日用品、筆記具、衣類は貸与されます。

 ただし、眼鏡、コンタクトレンズ、衛生用品(歯磨用具、生理用品)、松葉杖、車椅子は貸与されないため、ご自身で購入するか差入れをしてもらう必要があります。

●一般面会

 弁護人との接見は、24時間実施することができ、警察官の立ち合いはなく、接見時間の制限もありません。しかし、弁護人以外との面会(一般面会)の場合は、以下のルールがあります。

面会ができるのは平日の午前10時から午後5時

 ただし入浴時間、昼食時間帯は面会ができません。そのため、正午の時間帯は面会ができない可能が高いです。生田警察署の場合、木曜日が入浴日ですので注意が必要です。

面会の回数は、原則1日1回

 そのため、面会に行かれたとしても、先に面会をした方がいた場合には、その日は面会をすることができません。

面会時間は、1回20分以内

面会者の数は、一度に3人まで

●差入れ

 差入れについては、以下のルールがあります。

受付時間は、平日の午前10時から午後5時

1回に差入れができるのは、着替え3日分、書籍3冊以内、写真3枚以内、日用品若干、現金2万円以内

 書き込みがある書籍は、差入れすることができません。また、書籍の表紙カバーは外すように指示されます。

同一者による差入れは、1日1回まで

原則として、郵送での差入れはできません

 ただし、「やむを得ない事情により留置主任官が認めた場合はこの限りではない」と定められています。遠方から差入れをされる場合には、郵送も認められる可能性がありますので、警察署に電話でお問い合わせいただくのがよろしいかと思います。

※ 差入れができる物品や郵送による差入れが認められるかについては、警察署によって運用が異なります。

●おわりに

 留置場での生活では、様々な制限があり快適といえるような環境ではありません。そのため、弁護士がご家族に対して必要な支援をご説明し、連携しながらサポートをすることが望ましいと考えられます。

(弁護士 山本 祥大)

【個人再生】再生委員がつくケースとは

【個人再生】再生委員がつくケースとは

「個人再生委員」という言葉は、皆様あまり耳にすることはないかもしれません。

これが「破産管財人」となると、ある程度イメージが湧くかもしれませんね。破産管財人は、自己破産手続を申し立てる際、一定の場合に裁判所により選任される者で、申立人代理人とは別の弁護士が選ばれます。選任される代表的なケースとしては、免責不許可事由がある場合や、財産があり配当が予定される場合などが挙げられます。

これと同じく、個人再生委員は、個人再生手続を申し立てた際に、裁判所により選任される者であり、公平中立な機関であるといえます。

個人再生委員がどのような業務を行うかというと、①申立人の財産及び収入状況の調査、②再生計画案につき、申立人に対し必要な勧告を行うこと、といった内容となります。

さて、この個人再生委員、東京地裁本庁で申立をする場合には全件選任されるらしいですが、その他の地域、少なくとも神戸地裁においては、原則選任されませんので、ご安心ください。複雑な事件の場合に、例外的に選任されるという運用となっています。

個人再生委員がつけられると、同委員に対する報酬も数十万円別途必要となりますし、同委員からの質問等にきちんと対応する義務が生じるため、経済的にも、労力的にも、時間的にもしんどい手続となってしまいます。つかない方が楽であることは、間違いありません。

それでは、どのような場合に個人再生委員が付されるのでしょうか? 答えとしては、「複雑な事件」ということになります。そしてどのようなものが「複雑」かというと、事案によるというほかないでしょう。

しかしそれでは説明になりませんので、具体的なお話をしますと、過去に当事務所で取り扱った個人再生事件で再生委員が付されたものとしては、やはり自営業者の方の事件が多いと言えます。すなわち、サラリーマン(給与所得者)であれば、給与明細や源泉等により収入の内容が明瞭ですが、自営業の方は、そこらへんの操作が容易ですし、また、帳簿をつけていても独自ルールにより複雑で収支関係がよくわからないという場合があります。そのようなケースでは、裁判所が個人再生委員を選任して調査させましょうということになりやすいと言えます。

他には、財産の評価が困難なケースなども挙げられるでしょう。当事務所で実際にあったのは、不動産の評価が困難で、固定資産評価額と不動産業者による査定との間に大きな乖離があった事案で、清算価値を把握する目的から個人再生委員が付されたということもありました。

あるいは、家計収支の内容が心もとなく(毎月の収支が赤字ギリギリなど)、履行可能性に不安がある場合などにも、個人再生委員が付されてその点を指導されるといったケースもよくあります。ここでは、破産管財人に毎月家計簿を提出するのと同じような手続きが要請されます。

それ以外では、債務額が多く、かつ、個人の債権者が多数存在する場合なども、同人らが意見を述べたりと複雑な手続きが想定されることから、再生委員が選任される可能性が高まります。また、住宅特則を利用できるケースなのか判然としない事案の場合にも、個人再生委員が付されることがあります。

繰り返しとなりますが、再生委員が付されると、ご依頼者にとってもかなり負担が増大します。当事務所では、再生委員がつく可能性に関しても、事案に則してご説明させていただいております。同委員が選任されることを回避するのであれば、頑張って任意整理するということも考えられますが、それが可能であるかは、お客様の資力次第ということになります。

債務整理でお悩みの方は、神戸のシャローム綜合法律事務所までお気軽にお問い合わせください。相談は無料です。詳しくは、以下のバナーをクリックください。

(弁護士 中川内 峰幸)