むち打ちで実施される検査

むち打ちになり、一定期間治療を続けても症状が残った場合、後遺障害等級認定を目指すことになります。

等級認定がなされるためには、画像上の異常所見が確認されると共に、神経学的検査結果が陽性であることが必要となります。このうち、画像上の異常所見は、XpやCT、MRIで判断できますが、神経学的所見に関しては、どのような検査を行えばよいのでしょうか。

ここでは、以下、むち打ちで実施されることの多い検査を列挙します。順不同です。

 

・MMT・・・Manual Muscle Testing の略です。徒手筋力検査ともいいます。個々の筋肉につき筋力が低下しているかを徒手的に評価する検査です。検査者の主観により被検査者の筋力を判定しますので、計器による数値が出力されるわけではなく、検査者によって評価がわかれる可能性があるという点に注意が必要です。

 

・ジャクソンテスト(頸部)・・・頭部を後屈して圧迫を加える検査です。上肢(肩・腕・手)に放散痛が生じた場合に神経根症が疑われます。

 

・スパーリングテスト(頸部)・・・ジャクソンテストと同じ目的の神経学的検査です。頭部を患側(しびれや痛みが出ている方向)に傾斜・後屈して圧迫を加える検査です。上肢に放散痛が生じた場合に神経根症が疑われます。

 

・SLRテスト(腰部)・・・Straight Leg Raising の略です。下肢伸展挙上テストともいいます。仰臥位(あおむけ)で膝関節をのばしたまま下肢を挙上して疼痛の有無を見る検査です。

 

・FNSTテスト(腰部)・・・Femoral Nerve Stretch Test の略です。大腿神経伸展テストともいいます。伏臥位(うつぶせ)で、膝関節を90度屈曲して下腿を上方に引き上げて疼痛の有無を見る検査です。

 

・腱反射テスト・・・これはわかりやすいと思います。打腱器により、各神経を直接刺激することにより反射を確認し、神経根症状の有無を検査するものです。  

 

・握力検査・・・これも文字通り、握力計を握ることにより握力を測定する検査です。被験者の意思によるところが大きいといえますので、過度に重視はできません。

 

・EMG検査・・・Electromyogram の略です。筋電図検査と言えばわかりやすいでしょうか。細い電極針を筋肉に刺して検査装置で筋肉の収縮波形を記録し、筋肉の異常が筋肉疾患なのか神経疾患なのかを検査します。麻酔をすると筋肉の動きがわかりませんので、麻酔なしで行うため少し痛いと聞きます。

 

・MEP検査・・・Mortor Evoked Potentials の略です。運動誘発電位検査ともいいます。頭部を磁気で刺激して、腕などの筋肉の電位を記録する検査です。

 

他にも,症状に応じて様々な検査方法が存在します。主治医の先生に相談して検査をお願いしてみてください。