2025/07/24
介護事業や介護施設のM&Aに関するご相談は、当事務所でも増加しております。
特に近年では、「M&Aが完了した後にトラブルが発覚した」「契約書の解釈で意見が対立している」といった事後的な紛争のご相談が増加しています。
介護業界は、地域密着型かつ人材依存型という特性が強く、譲渡後に経営体制やサービス品質の維持が困難になるケースが少なくありません。たとえば、施設長やケアマネジャーの退職により現場が混乱し、収益悪化や離職連鎖を引き起こす事例も見受けられます。
表明保証違反による紛争リスク
譲渡契約において特に重要なのが「表明保証条項」です。譲渡元が「行政指導の履歴なし」「従業員に関する問題なし」等と表明していたにもかかわらず、譲渡後に虚偽であったことが判明する場合、表明保証違反として法的責任が問われ、損害賠償請求・補償請求に至る可能性があります。
契約違反と運営方針の齟齬
「譲渡後も一定期間、施設運営に協力する」といった合意事項が守られなかったことによる契約違反や、譲渡先と譲渡元の運営方針の不一致が原因で従業員や利用者との関係性が悪化するケースも見られます。
加算要件・保険請求の問題
加算要件の理解不足や記録不備により、保険請求が適切に行われず行政指導を受けるといったトラブルもあります。これは契約締結時に情報共有が不十分だったことや、引継ぎ体制の不備が原因である場合が多いです。
M&A後のトラブルは、事前の契約内容や開示情報、引継ぎ体制によって回避できるものもありますが、すでに紛争に発展した場合は、法的観点からの迅速かつ適切な対応が必要です。
表明保証違反、契約違反、損害賠償などのリスクに直面している方は、ぜひシャローム綜合法律事務所までお気軽にご相談ください。