みやながたかしの法律Q&A

Q32親族相盗例とは?

「息子が勝手に通帳と印鑑を持ち出して引き下ろした! 窃盗罪で告訴できませんか!?」というようなご相談を受けることは少なくありません。
実の子を訴えるなどとはただ事ではありませんが、家族内の出来事であるからこそ、簡単に距離を取ることもできず、また長年に渡って問題が継続発展してきたという経緯が存在することから、事態は深刻な状態になっていることが多いといえます。

それでは、子供を告訴して刑事的責任を負わせることはできるのでしょうか?

刑法には、親族相盗例(しんぞくそうとうれい)という規定があります。条文を見てみましょう。 (244条)

1 配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第235条の罪、第235条の2の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。

2 前項に規定する親族以外の親族との間で犯した同項に規定する罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

3 前二項の規定は、親族でない共犯については、適用しない。

ここにいう235条の罪とは、窃盗罪です(ちなみに、235条の2の罪は、不動産侵奪罪です。)。
つまり、配偶者や直系血族(子、孫)があなたの財産を窃取した場合(未遂を含みます。)、その刑は免除されてしまうということが刑法によって規定されているのです。
本条は、詐欺罪、恐喝罪、横領罪、背任罪にも準用されています(251条、255条)。
この条文の法的性質については、様々な議論があるところですが、「家庭内の紛争には国家が干渉しない方がよい」という法政策に基づくものであって、行為の違法性や責任とは無関係の一身的刑罰阻却自由を定めたものであるという見解が通説・判例です。
簡単にいえば、「法は家庭に入らず」ということです。
また、第2項に規定されているとおり、窃盗等を行ったのが、配偶者、直系血族又は同居の親族以外の親族の場合は、刑は免除されずに、被害者が告訴した場合のみに処罰対象とされます。
いわゆる親告罪ということです。

なお、兄弟姉妹間(傍系血族です。)で親族相盗例に該当する行為があった場合には、同居しているか否かが問題になります。
第1項が、親族相盗例の適用がある場合として、「同居」の親族を挙げているからです。
つまり、兄弟姉妹が同居している場合には、刑は免除され、同居していない場合には、被害者が告訴すると罪に問われる可能性があるといえるでしょう。
ですので、実質的な被害者は誰であるのかという点がポイントとなってきます。最初のご相談者の質問との関係でいえば、財物を盗まれた被害者が親ではなく、兄弟であって、かつ、その兄弟が別居しているのであれば、罪に問われる可能性はあるでしょう。
家族間でのトラブルはないにこしたことはないのですが、家族だからこそ、時としてその対立は激化することとなります。
親族相盗例に関しては、親族関係の必要な人的範囲の問題(例えば、共犯者がいる場合などのケースです。)や、錯誤の問題(例えば、父親の物だと思って盗んだら、実は父親が他人から預かっていた物だったというケースです。)など、複雑な論点があります。

詳しくお知りになりたい方は、シャローム綜合法律事務所までお問い合わせ下さい。

※ ところで、殺人罪や傷害罪、暴行罪といった生命身体に対する罪や、強盗罪、強制性交等罪、放火罪などの罪には親族相盗例は適用されませんのでご注意下さい。このような場合には、速やかに警察に通報し、弁護士にご相談されることをお勧めします。

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