みやながたかしの法律Q&A

Q29使用貸借とは?

賃貸借契約という言葉は、日常的に使用しますので、その内容につき比較的簡単にご理解いただけると思います。
しかし、使用貸借(しようたいしゃく)となりますと、あまり耳慣れない言葉ということになるのではないでしょうか。
ここでは、賃貸借と使用貸借の異同についてご説明します。

使用貸借とは、当事者の一方が無償で使用及び収益をした後に返還をすることを約束して相手方からある物を受け取ることによって成立する契約類型です(民法593条)。
例えば、友人間で本を貸し借りしたりする場合がこれに当たります。
物の貸し借りという点では、賃貸借と使用貸借は類似しています。
問題は、対価を伴うかどうかという点です。
使用貸借は、無償(タダということです。)の使用・収益であることから、通常は、貸主と借主との間に特別な人的信頼関係がある場合が想定されます。
賃貸借(有償。賃料が発生します。)と異なり、無償の利用権であるため、賃貸借よりも借り手の地位が弱いという点に特色があり、特に親族間での土地の貸借に関しては、当該貸借が、賃貸借なのか、あるいは使用貸借なのかを巡って、時に深刻な争いとなることがあります。
使用貸借の終了原因としては、以下のものが挙げられます。

① 契約に返還時期を定めた場合は、その時期に返還義務を負う(597条1項)

② 契約に返還時期の定めがない場合は、借主は、契約に定めた目的に従い使用収益を終わった時に返還義務を負う(597条2項)

③ もっとも、それ以前でも、使用・収益をなすに足るべき期間を経過したときは、貸主は直ちに返還を請求できる(597条2項但書)

④ 当事者が返還時期も使用・収益の目的も定めていなかったときは、貸主はいつでも返還請求できる(597条3項)

⑤ 貸主が死亡すれば、使用貸借は終了する(599条)
賃貸借の場合は、借主が死亡した場合、賃借権が財産権として相続の対象となるのに対し、使用貸借の場合は、相続の対象とはならず、契約は終了します。これは、先述のとおり、使用貸借が貸主・借主間の人的信頼関係という特色を前提としているところ、借主が死亡した場合、借主の相続人と貸主の間に人的信頼関係があるとは限らないため、これを保護する必要はないとの発想(逆に、貸主の側からすると、特定の人物だからこそ貸したのに、当該人物死亡後、相続人が出て来て権利を主張されるとは想像していないはずです。)に基づくものと思われます 
ですので、当該契約が賃貸借なのか使用貸借なのかによって、契約の存続につき大きな差異が生じるため、当該物件(不動産が多いでしょう。)に住み続けたい側と、返還を求める側とで、この点を巡って熾烈な争いとなることがあります。
これが賃貸借契約となると、借地借家法の適用があり、借主が大いに保護されることになります。

それでは、当該契約が賃貸借(あるいは使用貸借)であると主張するためには、どのような点を指摘すべきでしょうか。
この点、双方の大きな違いは、無償契約か有償契約かという点にありますので、賃料の支払の有無は大きなポイントとなります。
ただし、仮に賃料の支払いがあったとしても、それが著しく低廉な場合などは、一概に有償だから賃貸借であると判断することはできません。
使用貸借契約が、貸主・借主間の人的信頼関係を基礎とするものである以上、その人間関係も含めて、総合的な判断がなされることとなります。
もう一つ、使用貸借において争いになることが多いのは、「使用及び収益をするに足りる期間を経過したとき」に当
たるか否かについてです。
この点に関しては、最高裁判例は、

①経過した年月、

②土地が無償で賃借されるに至った特殊な事情、その後の当事者間の人的なつながり、

③土地使用の目的、方法、程度、

④貸主の土地使用を必要とする緊要度

など双方の諸事情を比較考慮して判断すべきという基準を設けています。

使用貸借は、親族間でなされることが多いですので、その契約当初は良好な関係性が存在するのですが、その相続人との間でも良好な関係が築けるとは限りません。
したがって、人的信頼関係のない者同士で、物件の継続使用に関して深刻な紛争へと発展しがちです。
そのような事態を未然に防止するためには、当初からきちんと契約書を作成して保管しておくことです。
親族間なので契約書を作成するなんて...と抵抗感をお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、親族間だからこそ、書面を作成しておき、後日の紛争発生を防止することが必要です。
使用貸借関係のご相談、または契約書作成のご依頼をお考えの方は、当事務所までご連絡下さい。

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