みやながたかしの法律Q&A

Q21労働審判とは?

労働審判制度は、解雇や給料の不払、セクハラ・パワハラなど、事業主と個々の労働者との間の個別労働関係民事紛争について、迅速・適正かつ実効的に解決することを目的として平成18年に開始された手続です。
労働問題が発生して労働者が事業主に対して何らかの請求をする場合、訴訟を選択することも可能です。
ただし、訴訟による場合、紛争解決までに長期間を要することも少なくなく、かかる労使紛争を簡易・迅速・適正に解決すべく労働審判制度がスタートしました。
開始から10年超が経過しましたが、申立件数は増加しており、個別的労使紛争解決手段としては定着したものと思われます。
労働審判は、以下の特徴を持ちます。
① 原則として3回以内の期日で紛争解決を図る
② 労働審判官(裁判官)1名と、労使の実情に通じている労働審判員2名で構成される労働審判委員会が審理を行い、判断を下す
③ 話し合いによる解決(調停)を模索し、これが不成立の場合には、労働審判委員会が労働審判を言い渡す

このように、労働審判が迅速な紛争解決を志向しているため、訴訟のように主張や証拠を小出し・後出しにすることは認められません。
したがって、申立の段階で十分に法的構成を検討し、証拠を吟味し、過不足なく書面に盛り込む必要があります。
五月雨式に証拠を出せると考えていると、あっという間に審判が終わってしまい、気がつくと負けてしまっていたという事態になる危険があります。
一方で、申し立てられた相手方にとっても、的確な反論をするために限られた時間内で十分な準備をしなければなりませんので(訴訟と違い、期日の変更はなかなか認められません。)、他の事件の予定を変更してでも対応しなければならないといったこともあります。

さて、労働審判期日ですが、訴訟のような公開の法廷でやりとりをするというものではなく、調停に近い手続きだと思っていただければよいと思います。
具体的には、ラウンドテーブルに労働審判委員会3名と申立人(及びその代理人)が着席し、提出している申立書及び証拠をもとに色々と話を聞かれます(手続は原則非公開です。)。
ついで、相手方と交代します。
1回目の期日から労働審判委員により積極的に心証開示も行われ、多くの場合は早期の段階で調停を試み、調停が成立しない場合にはその場で審判を言い渡すという運用がなされています。
70%前後が2回以内の期日で終結しているという統計もあります。
審判の内容に不服がある場合は、これに異議を出すことができます。
適法な異議の申立があったときは、労働審判は効力を失い、労働審判に係る請求は、労働審判の申立時点で訴えの提起があったものとみなされ、通常訴訟へ移行します。ただし、労働者の請求を認める労働審判がなされた場合、かかる結論が通常訴訟でも維持される可能性が高いと考えることが通常であるため、事業者側において労働審判を受け入れる可能性が高まります。
なお、労働審判法は、「労働審判委員会は、事案の性質に照らし、労働審判手続を行うことが紛争の迅速かつ適正な解決のために適当でないと認められるときは、労働審判事件を終了させることができる」と規定しており、複雑な事案の場合の手続き終了を定めています(24条終了といいます。)。
一つ注意が必要なのは、労働審判は、個別労働関係民事紛争を対象とする制度であるため、例えば、上司からパワハラを受けて損害賠償請求をする際、会社に対しては使用者責任(民法715条)若しくは労働契約上の義務である就業環境整備義務(労働契約法5条、雇用機会均等法11条1項)違反として責任追及することはできますが、当該上司は申立外ですので,当人に対して労働審判内において個人的な責任追及をすることはできません。
この場合,別途民事訴訟を提起することになります。

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