ブログ

災害

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大阪北部地震から1週間ほどしか経っていないにも関わらず、豪雨による被害が発生してしまいました。平成にはいり最大の被害のようで、100人以上の方がなくなっております。現在でも未だ100人ほどの方が行方不明で、被害はさらに拡大するようです。 私の自宅は茨木市で、北部地震でかなりの被害があり、更に先週末の豪雨で、自宅付近を流れる安威川が危険水位に達し、周辺の住民が避難しなければならない状況でしたが、ぎりぎりのところで氾濫まではいきませんでしたが、多くの地域で河川氾濫の被害が発生してしまいました。 昭和36年に災害対策基本法が制定され、国家レベルでの災害への対策が行われるようになりましたが、どうしても「想定外」の被害が発生してしまうようです。災害を想定するのは難しいことではあるのでしょうが、日ごろからの心がけをするだけでも未然に防げることは多くあるのではないかと思わされた出来事でした。 事務員KA

事務所ロゴ

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シャローム綜合法律事務所のロゴが出来ました。 「シャローム」とは平和を意味するヘブル語ですが、ロゴも平和をイメージして作成してもらいました。 法的な解決を通してお客様に安心と平穏な生活を取り戻して頂きたいとの願いから「シャローム」という事務所名にしております。 今後とも皆様の生活に安心をご提供できるよう努力してまいりますので、よろしくお願いします。  事務員KA

なぜ、わが子を棄てるのか―「赤ちゃんポスト」10年の真実

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先月発売された書籍です。慈恵病院の「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」の10年間を追ったNHK取材班の渾身の一冊です。赤ちゃんポストに関する基本的な知識をまだお持ちでない方は、まずは本書を導入本としてご一読されると、本件をとりまく最新の状況及び問題の所在が把握できるかと思います。当事務所が顧問を務めます神戸市北区のマナ助産院(永原郁子院長)についても少し記載があります(なお,本年9月より開始されます「小さないのちのドア」に関しては触れられていません。次作で取り上げていただければと思います。)。 (弁護士 中川内峰幸)

卑属殺人罪

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児童虐待の悲惨なニュースを目にするたびに胸を締め付けられます。素朴な疑問として、一体なぜこのようなことができるのでしょうか?被害者となったお子さんのご冥福をお祈りするばかりです。 このような痛ましい事件があるたびに、卑属殺人罪を創設すべきだという声があがります。卑属(ひぞく:子や孫等のことです。)を殺害した場合に、通常の殺人罪よりも重い刑罰を科す内容の法律を作るべきだという議論です。この点、尊属殺人罪に関しては、昭和48年の最高裁判決で、法令違憲の判断がなされました。その際の8裁判官による多数意見は、「尊属に対する敬愛や報恩」という刑法200条の立法目的を正当であるとしつつ、その目的達成手段として採られた刑罰加重の程度が極端に過ぎるところに限って違憲と判断しました。ですので、卑属殺人に関しても、憲法14条1項の法の下の平等に反しない程度で刑罰を加重することは必ずしも不可能ではないようにも思えます。もっとも、この最高裁判決では、6裁判官の少数意見は、理由を異にして立法目的自体を違憲としておりますので、当該最高裁判決から実に45年を経た現代社会において、仮に卑属殺人罪が新設・適用されたとして、公判でこれに対して違憲の主張がなされた場合にどのような司法判断がなされるかは不透明でしょう。 さて、卑属殺人罪の議論はそれはそれとしてよいのですが、当該議論は、「こんなひどいことをした加害者は死刑にすべきだ」というような「応報刑論」の考え方です。「あれだけのことをしたのだから、この程度の刑罰はやむを得ない」、簡単にいえば「目には目を、歯には歯を」の発想です。いわゆる正義の視点から刑罰を科す考え方です。気持ちはよくわかります。被害者のお子さんがどれだけつらかったかを考えると、そのように思う方が大勢いらっしゃるのも当然だと思います。あたたかいごはんが食べたかった、みんなで楽しく遊びたかった、優しく抱きしめて欲しかった、そのような当然のことすら叶わなかったのですから。しかし、その卑属殺人罪を設けるべきとの考え方自体を否定するわけではありませんが、最優先されるべき問題は、今後二度と同じような事件を繰り返さないために実効性のある方法を冷静に考えることではないでしょうか。とすると、先の応報刑論的な考えは、犯罪の防止に効果があるかという見地からすると、なお疑問が残るでしょう。たとえば、「卑属殺人は死刑」としたところで、児童虐待は根絶されるでしょうか。いくらかは減少するかもしれません。しかし、犯罪であることを知りながらも児童虐待が後を絶たない現状からすると、このような一般予防的発想では、根本的な解決とはならないようにも思えます。 それでは、児童虐待を防止するオルタナティブはないのでしょうか。児相の権限を強化すべきとの声があります。良いと思います。現行の民法においては、あまりにも親権が強すぎて、児相が手を出せないという弊害があることは事実です。児相のマンパワー拡充及び警察との連携強化も必要でしょう。また、親権喪失制度の運用をより積極的に検討すべきとも思います。そしてさらに、平成23年に成立した親権停止制度も有効活用すべきでしょう。これは、最長2年間の親権停止を求めて家庭裁判所に申し立てをする手続きです。親権喪失制度が親権の「喪失」という極めて強力な効果を発生させることから使い勝手が悪かったことに対応して新設された制度です。また、未成年後見人には社会福祉法人などの法人がなることも可能となりましたので、これらが当事者となり関係機関と各種連携して積極的に制度を利用すべきと考えます。 加えて、私はこれが非常に重要だと思うのですが、養子縁組制度の利用をより促進すべきではないでしょうか。日本においては、「血のつながり」にあまりにも重きを置き過ぎていると考えます。しかし、「虐待親であっても親は親なんだから、血のつながった実親のもとで監護すべき」との考えは極めてナンセンスでしょう。子の命が、人生が、何よりも優先されるべきは当然です。子は親の所有物ではありません。たとえ血はつながっていなくとも、大きな愛情を注いで実親子以上のあたたかい家庭を築いていらっしゃるご家族はたくさんいらっしゃいます。 少年事件を担当していますと、親が子に対してきちんと監護養育できていないことが理由で子が非行に走っているというケースが非常に多いです。親を責めることはしません。親も精一杯なのです。しかし、親も子も不幸だと思います。実の子だから、実の親だから、という発想はもちろん重要です。おなかを痛めて生んだ子、血のつながった子。しかし、それが絶対ではないはずです。血縁を他のすべてに優先させる必要性はありません。そのような負のつながりというものはしがらみであり、呪縛になります。親にとっても子にとってもです。無限の可能性を秘めた未来がある子供の幸福を考えるならば、この血のしがらみなどに拘泥することなく、素晴らしい養親のもとで幸せにすくすくと育ててあげるべきではないでしょうか。自分で育てられない場合には、養子縁組(特に特別養子縁組)手続に速やかにアクセスできる基盤が整っていれば、痛ましい虐待死が減少するのではないでしょうか。日本では、「養子」という言葉に負のイメージがありますが、その点につき意識を変えていく取り組みが今必要ではないかと考えます。  (弁護士 中川内峰幸)

内密出産法

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前回のブログに引き続きまして、マナ助産院(神戸市北区、永原郁子院長)の「小さないのちのドア」関連の投稿です。先日、厚生労働省が内密出産の法整備の可能性につき調査研究に乗り出すとの記事がありました。厚労省は研究結果を今年度末にまとめる予定とのことで、一方、慈恵病院は法整備を待たずに内密出産を始めたいようですが、日本ではまだあまり耳に馴染みのない「内密出産」が、今後さかんに議論されることを期待します。 報道によりますと、慈恵病院が熊本市に提出した内密出産制度の素案は次のとおりです。①妊婦の母親は仮名で、慈恵病院が妊娠中から相談を受ける。②病院は熊本市に母親の仮名と子供の名前の候補を届け出る。③母親は病院の仲介で児童相談所と面談し、児相は母親の実名、住所など、子供の出自につながる情報を管理する。④出産すると熊本市が子供の単独戸籍を作成し、子供の名前を児相に通知する。⑤児相は特別養子縁組のあっせんをし、子供は養親へ託される。なお、養親は出産の費用を負担する。⑥子供が18歳を過ぎれば、母親の情報が閲覧可能になる。母親が閲覧を希望しない場合は、家庭裁判所に判断をゆだねる。(弁護士ドットコムニュース 2018/5/30) なぜ内密出産なのか。それは、こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)を実施するに際して、反対派が厳しく追及した理由の一つである「子供の出自を知る権利」への対応策が求められたからです。赤ちゃんポストの場合、匿名で子供を預け入れることができ、それゆえ子供の命は守られますが、自身の親についての情報が残されないことから、子供は自らの出自につき知ることができません。しかし、赤ちゃんポストは匿名であるからこそ母親はこれを利用するのであって、ここで母子の生命身体の安全と子供の出自を知る権利とが衝突します。この点に関しては、前者が後者を優越するとの私見を前回のブログで書きました。 ドイツにおいては、赤ちゃんポスト、匿名出産に加え、この内密出産という三つ目の選択肢が提唱され、2014年5月1日より「内密出産法」が施行されたとのことです(以上に関しては、柏木恭典氏が「名前のない母子をみつめて(蓮田太二氏との共著)」において詳しく解説されていますので、よろしければご覧いただければと思います。)。 さて、翻って日本においてこれを検討してみますと、法整備の実現性、すなわち法的問題点としてはどのようなものが挙げられますでしょうか。以下、あくまでも一弁護士として素朴な「疑問」を述べます(したがって、これらに対して私自身回答をまだ持ち合わせているわけではないことをご容赦ください。)。 まず、母親の情報の管理をどの機関が行うのでしょうか。ドイツにおいては、「妊娠葛藤相談所」という公的な承認を受けた団体が母親の情報等を文書化し、これを「家族・市民社会任務連邦庁」という機関に送付し、そこで16年間保管されるということです。日本においては、妊娠葛藤相談所に代わる機関はなく、また今後行政がそのような機関の設置を実現させたとしても、そもそも行政機関を頼ることなく孤立出産を余儀なくされている母親たちが本議論の当事者であることから、そのような施設への相談が普及するでしょうか。上の慈恵病院の素案では、児相がこの役割を担うことが期待されているようですが、実際問題としてこれは現実的かつ妥当な案なのでしょうか。彼女たちの行政に対する不信・恐怖というものは、我々が思う以上に深く、この点は、民間団体を主体とすることも検討すべきではないかと考えます。あるいは、当該民間団体が妊娠葛藤相談を行い、その後、職務上の守秘義務を負う弁護士へと連携がなされ、遺言書のように、公正証書を作成して、公証役場及び法律事務所において情報が保管されるというパターンも検討に値するのではないかと思われます。もっとも、遺言書の場合も、作成後に弁護士個人が遺言者と連絡を密に取り合うことまでは必ずしも保証されておらず、また、16年乃至18年という長期に渡り保管するとなると、当該弁護士が死亡することも考えられるため、保管者は弁護士法人に限定した方がよいのかもしれません。なお、児相のように行政がこれを管理する場合には、行政機関の保有する情報の公開に関する法律との平仄を合わせるべく法改正も必要でしょうか。もちろん法改正に関しては、戸籍法との関係も課題です。 次に、母親の情報の開示の場面に関してですが、その母親が開示に反対する場合の手続き如何という問題もあります。すなわち、母親が開示に反対する場合、裁判所が判断するという話を聞いたことがありますが(上の素案では、家庭裁判所が想定されているようです。)、まず、これは人格権に基づく差止請求権を指すのか、あるいは法令に別個の規程を盛り込むのかという疑問です。おそらくは後者ではないかと思われますが、その場合、母親が所在不明となっており、当該母親の同意(言い換えれば、差止請求権行使の機会の付与)なくして開示請求がなされた場合の救済に関しては、何か手当てが用意されているのでしょうか。また手続の中身に関しては、自己に関する情報を子供に知られることにより現在母親が被るであろう損害と、子の出自を知る権利との比較衡量により開示の可否が決するのでしょうが、主張責任も含め、司法がこれにどのような審理及び判断をするのかについては、実際に制度がスタートしてみないと分からないのかもしれません。この点、ドイツでは如何様な法的な対策が用意されているのでしょうか?ひとたび内密出産に同意した以上、「差止請求権を行使しない」=「開示に同意している」という推定が働くという考えでしょうか?ここでは、(倫理上の問題はともかく)母親にとっても「知られたくない権利」という概念を検討する必要があるのかもしれません。 そしてそもそも、開示手続に関する裁判所の実際の関与(審理手続)はどのようなものになるのでしょうか。家裁が管轄裁判所となるとすると、通常の家事事件と同様、調停ないし審判という形式を採るのであれば、知られたくない母親(=会いたくない母親)が裁判所に姿を表すことは期待できないでしょう。また、そもそも開示請求権者(子供)にしてみると、相手方である母親の情報を持ち合わせていないため、送達の問題も発生します。あるいは、母親は当事者とならず、母親の意向を汲んだ当該情報の保管者が手続きの当事者となるのでしょうか?遺言執行者とパラレルに考えることになるのでしょうか。しかし、その場合の手続き費用は誰が支弁するのでしょうか?この点も、ドイツではどのような手続きとなっているのでしょうか。 さらに、民法の成人年齢引き下げとも関連するかもしれませんが、開示請求権を付与される年齢も別途検討を要するでしょう。 さて、思いつくままに徒然と書きましたが、実際にこの制度を日本に導入するにあたっては、法的な側面だけに限定しても、上記以外にも実に様々な検討事項が発生するものと思われます。引き続き、本件の動向に注目したいと思います。 (弁護士 中川内峰幸)

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